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白内障手術
当院では年間約500例の白内障手術を行っております。手術は通常、点眼麻酔(目薬による麻酔)で行い、手術時間は約10~15分です。痛みはほとんどありません。曇った水晶体(自然のレンズ)を吸引・除去し、人工の眼内レンズを挿入します。これにより、目に入る景色が明るくなり、色鮮やかに見えるようになります。眼底(網膜や視神経)に異常がなければ、視力は大きく改善します。
累進多焦点眼内レンズ、乱視矯正眼内レンズなど幅広く取り扱っており、患者さま一人ひとりの眼の状態と生活スタイルに合わせて最適な眼内レンズを選択いたします。手術設備としては最新の手術機器と顕微鏡を備え、必要に応じて1泊入院が可能な病室も用意しています。手術後の見え方(屈折の状態)を患者さんと術前にしっかりと話し合い決定します。出来るだけ誤差を少なくするために手術中にも球面収差解析装置を使用しています。

白内障手術の流れ
1、診察
まずは外来で診察を行います。現在の視力、見え方の不便さ、既往歴(糖尿病や全身の薬剤服用歴など)を伺い、眼底検査や前眼部の観察を行います。患者さまの生活上の希望(裸眼での生活重視、夜間運転の有無など)もこの段階でお聞きします。
2、術前検査
手術の安全性とレンズ選択のために複数の検査を行います。以下が主な検査項目です。
①血液検査
全身状態を確認し、感染や出血傾向の有無、麻酔に影響する異常がないかをチェックします。必要に応じて内科とも連携して管理します。
②眼軸長、角膜曲率半径、角膜高次収差測定
眼内レンズの度数を決定するため、眼球の長さ(眼軸長)を精密に測定します。あわせて角膜曲率半径(角膜のカーブ)を測定し、角膜乱視の程度などを確認します。また、角膜形状解析や波面解析などにより高次収差(細かな光学的なゆがみ)を評価し、術後の見え方を考慮したレンズ選択の参考とします。これらは光学的な装置による非接触検査を行うのが一般的です。
③角膜内皮細胞検査
角膜の内皮細胞数や形を評価します。内皮細胞が少ないと手術後に角膜浮腫(はれ)が起こりやすく、レンズ選択や術式の工夫が必要になることがあります。
6、手術の諸注意の説明
手術当日の流れ、点眼麻酔の方法、所要時間、入院の有無、術中の合併症リスク、術後の制限事項(入浴や運転、顔を水で濡らすことの制限等)について説明します。具体的な術後の点眼スケジュールや受診日程もこの時点でお伝えします。疑問点はその場でご相談ください。
日帰り手術
当院の白内障手術は通常、日帰りで行われることが多いですが、必要に応じて1泊入院の選択も可能です。点眼麻酔を行い、超音波や時に薬剤で水晶体核を破砕して吸引・除去します。その後、折りたたんだ人工レンズを小切開から挿入して広げ、固定します。手術そのものは短時間で済みますが、眼の状態によっては手術時間が延びる場合があります。
術後の過ごし方
術後は保護眼帯やサングラスを使用していただきます。術後数日間は目を強くこすらないこと、入浴や洗顔時に目を直接濡らさないこと、重い物を持たないことなどの注意があります。点眼薬(抗菌薬・抗炎症薬など)を指示通りに使用してください。視力は術後すぐに改善することが多いですが、数週間かけて安定することもあります。
術後の定期検診
術後1日目、1週間、1ヶ月、3ヶ月などの定期検診で治癒の程度、眼圧、角膜状態、網膜の状態、レンズの位置などを確認します。必要に応じて点眼期間の延長や追加治療を行います。後発白内障(後嚢の濁り)が生じた場合はレーザー治療で簡便に改善できます。
当院で取り扱うレンズの種類
当院では患者さまの生活スタイルや目の状態に合わせて、複数の種類の眼内レンズをご用意しています。下記は各レンズの特徴と、どのような方に向いているかの目安です。最終的な選択は検査結果と生活優先度を踏まえて医師と相談の上決定します。
単焦点眼内レンズ(単焦点眼内レンズ)
単焦点眼内レンズは現在、白内障手術で最も広く用いられているレンズで、焦点が1つに設定されています。焦点を「近く」に合わせれば近くがはっきり見えますが遠くはぼやけ、逆に「遠く」に合わせれば遠くははっきりしますが近くはぼやけます。どちらに合わせるかは患者さまの生活優先度により決めます。手術費用は健康保険の適用対象です。
メリット
- 見え方が鮮明で、コントラスト感度や夜間の見え方が比較的良好。
- 長期の臨床実績があり、安定した結果が期待できる。
- 保険適用により費用負担が抑えられる。
デメリット
- 遠近の両方を裸眼で同時にカバーすることはできず、近見または遠見のどちらかに合わせる必要がある。
- 近見または遠見を補うために術後に眼鏡を必要とする場合がある。
夜間運転や遠方視を重視する方、色彩や景色の鮮明さ、コントラストを重視する方には、適した眼内レンズです。片眼ずつ手術を行う場合、反対眼とのバランスを考慮して度数を設定します。乱視がある場合は乱視矯正眼内レンズ併用や術後に眼鏡で調整することを検討します。
単焦点眼内レンズの見え方
多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズはレンズの形状や光学設計を工夫して、遠方と近方(機種によっては中間距離も)へ焦点を分配するレンズです。術後に眼鏡を使わずに日常生活を送りたい方に向けた選択肢として広く用いられています。術後の約9割の方が日常生活で眼鏡なしの時間が増えるという報告もあります。
メリット
- 日常生活で眼鏡に頼らずに過ごせる可能性が高い(遠近両方の視機能をサポートするため。)
- 読書やスマホ操作、外出時の利便性が向上することが多い。
デメリット
- 光を遠方・近方に分配するため、単焦点に比べるとシャープさは若干落ちることがある。
- 非常に細かい文字や図表で色が薄く感じられることがある。
- 夜間にヘッドライトや信号などの光を見ると、まぶしさを感じる場合があるため、夜間運転の頻度が高い方は慎重にご検討ください。
メガネの使用頻度を減らしたい方や屋内外で幅広い距離を見る人が多い人には適した眼内レンズです。多焦点の見え方には慣れが必要で、馴染まない場合には再手術で別のレンズに入れ替えるケースもあり得えます。
多焦点眼内レンズの見え方
乱視矯正眼内レンズ
乱視矯正眼内レンズは角膜乱視を同時に補正する機能を持つ眼内レンズです。単焦点や多焦点の設計に乱視矯正の要素を組み合わせることで、乱視のある方でも術後の裸眼視力を向上させることができます。
メリット
- 角膜乱視由来のぼやけや像のにじみを改善し、裸眼視力の向上が期待できる。
- 単焦点あるいは多焦点と組み合わせることで、より眼鏡依存度を下げられる可能性がある。
デメリット
- レンズの回転(位置ずれ)で乱視補正の効果が低下することがあるため、術中・術後の位置安定が重要です。
- 回転が生じた場合には再手術で位置調整することがあります。
- 精密な術前検査(角膜乱視の度数と軸の確認)が不可欠です。
中等度以上の角膜乱視がある方や裸眼での視力向上を強く望む方(特に遠方視を重視する場合)には適した眼内レンズです。
あなたの生活で何を優先するかでレンズの選択を
レンズの選択は「どのレンズが最も良いか」ではなく、「あなたの生活で何を優先するか」を決めることです。当院では検査結果と生活優先度をもとに、わかりやすく丁寧にご説明し、納得いただいたうえで選択いただきます。シミュレーション画像や費用見積もりもご用意できますので、まずは外来でご相談ください。
白内障手術の費用
白内障手術の費用は、
- 選択する眼内レンズ(保険適用の単焦点眼内レンズ、乱視矯正眼内レンズ、保険適用外の多焦点眼内レンズ)
- 手術体制(片眼/両眼、日帰り/入院)
- 術前の検査や術後ケアの内容
によって変動します。以下は当院の例となります。
保険適用の単焦点眼内レンズを使用する場合(片眼)
保険負担1割の方:自己負担額 約20,000円
保険負担2割の方:自己負担額 約40,000円
保険負担3割の方:自己負担額 約55,000円
※1 高額療養費制度の適用により実際の窓口負担が抑えられる場合があります。
※2 保険負担割合(1割・2割・3割)自体は、被保険者の年齢等の保険種別に応じて決まります。
上記に加え、術前検査や術後処置の回数・入院の必要性等で、最終的な総額に差が出ます。
自費での多焦点眼内レンズを選択する場合(片眼)
自費負担となる多焦点眼内レンズなどを選択した場合は、保険適用と違い、レンズ代が別途必要となります。
レンズの種類や術前の追加検査等により大きく異なります。最終的な金額は個別見積もりでご確認ください。費用面でご不安がある方は、医療費控除や自治体の助成制度についても相談可能です。
緑内障手術
当院では、レーザー繊維柱帯形成術(SLT)、流出路再建術(繊維柱帯切開術)、濾過手術(線維柱帯切除術)、及び、「緑内障治療用インプラント挿入術」を行っております。
硝子体手術
当院では網膜硝子体手術を施行しております。岡山大学の眼科教授を招聘し、糖尿病網膜症や網膜静脈閉塞症、硝子体出血に対してだけでなく、黄斑部疾患(加齢黄斑変性症、黄斑上膜、黄斑円孔など)の手術も行い、松永地区に新しい医療を提供できるよう努力しております。硝子体手術に関しては、当院では極小切開の25Gシステムを導入し、切開創が非常に小さく、目に傷がほとんど残らない術式を施行しています。約30分という短時間の手術時間により患者さまの肉体的、精神的負担を軽減します。
抗VEGF抗体療法
当院では、糖尿病網膜症や網膜静脈分岐閉塞症などによる黄斑浮腫に対して、加齢黄斑変性症、近視性脈絡膜新生血管など抗VEGF抗体療法を施行しております。
これらの疾患は、脈絡膜から網膜に向かって、新生血管という脆弱な血管が発生します。この新生血管の発生に関与するのが、VEGF(血管内皮増殖因子)という糖タンパク質です。VEGFは、正常な血管を形成し維持するために必要な物質ですが、これらの疾患では悪い働きをします。このVEGFの働きを抑え、新生血管の成長やそこから漏れ出る血液中の水分を減らす効果のある薬が抗VEGF薬です。
この薬剤を硝子体内に注入し新生血管による出血や浮腫を軽減させるのが目的です。
注入する針はとても細く、表面麻酔もしますので痛みはほとんどありません。
涙道手術
当院では、涙道閉塞症の涙目の治療として、涙道内視鏡と鼻内視鏡を併用した低侵襲の涙道再建術を行っております。局所麻酔下で15~30分位の治療です。
直径0.9mmの涙道内視鏡を涙点から挿入、閉塞部位を解放した後そのまま放置するとまた再閉塞の危険があるため、その予防にステントチューブを約2~4カ月間留置します。(留置中の異物感はほとんどありません)
鼻用の内視鏡を併用し、涙道の入口から出口まで挿入します。
レーザー治療
当院は、糖尿病網膜症、網膜静脈閉塞症などの疾患に対して、網膜光凝固術を施行しております。
マルチカラーパターンレーザー光凝固装置を導入して治療を行っています。
短時間でのレーザー照射時間のため、患者さまの負担を軽減し、治療できるようになりました。